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2011年2月28日 (月)

造形教育研究会会報(23年3月)の1「副会長挨拶」

造形活動における表現とは
山口県造形教育研究会 副会長 弘中順一

Gakubi6 今、学校現場での課題は、「学力向上」と「心を育む」です。このことを解決するキーになるのが「想像力」と「集中力」であると考えます。造形活動では、表現と鑑賞を通して、「想像力」と「集中力」を育むことができます。
 それでは、造形活動でおこなわれる「表現」とはどのようなものでしょう。表現は、人間の生きている証です。表現することによってストレスを解消することもあります。想像力を働かせることで感性が磨かれます。手先を使うことは、脳を活性化し、集中力をつけることができます。
 そこで、子どもが表現することの意味を考えてみましょう。阿吽の呼吸といいますが、造形表現では「阿」の表現、「吽」の表現があります。「あ」と感動し、想像力を発揮して表現し、他に伝える「他伝達」があります。そして、「うん(これでよし)」という自己伝達とがあります。
 造形活動の指導で一番大切にされなくてならないことは、子どもが「想像力を働かせる場面」ができているかということです。生活場面を再現する再生的な想像活動であれ物語などから想像を膨らませる創造的な想像活動であれ、想像力を働かせることによって子どもの「思い」を生かすことが大切なのです。そのためには、子どもたちに感動体験に出会わせることが大切です。子どもに作品をつくらせるのが造形活動の目的ではありません。子どもたちに、作品をつくらせたいために教師の思いを押しつけたり、作品の参考の資料として用意した写真そのままを写させたりしてできた作品は、作品からの子どもの思いが伝わってきません。ましてや、指導法の法則化で指導された作品のように、モデルの作品と同じように描くための「指示」をもとに「描かせている」作品は、作品一点だけを見れば「すごい」と思わせることができますが同じ作品が沢山あると、「なんだ!描かされているのか。」と悲しくなります。
 新幼稚園教育要領が定める領域「表現」のねらいは、いろいろなもの美しさなどに対する豊かな感性を持つ、感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ、生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむの三つです。また、新保育所保育指針に記載されている保育のねらいは新幼稚園教育要領と全く同じです。
 小学校では、この四月から学習指導要領が全面実施されます。そのキーワードは、「言語力を育てる」です。一人一人の子どもに責任を持って「力」をつけ、その子なりの「育ち」を実現する教育に取り組んでいくことが求められています。その中で、コミュニケーションや感性・情緒の基盤となる言語力として重視すべきものは、「感じること」を基盤にした「表すこと」「読み取ること」の活動ということができます。
 中学校は、二十三年度までが移行期間となります。移行措置のポイントは、次の三つです。「美術に関する生徒の資質や能力を育てること」が目的として明確化されました。また、「美術科のあらゆる活動を通して指導する共通事項が示された」ことです。最後に、教科目標に「美術文化についての理解を深める」こととあります。この中で「表現すること」に視点を向けると「発想や構想に関する項目」と「創造的技能に関する項目」を相互に働き合うようにすることで、生徒の学習を豊かなものに練り上げることができるとされています。
 教育の今日的課題解決のためには、造形教育の果たす役割は、もっと見直されるべきでしょう。このことを、造形教育に関わる私たちがもっとアピールしなければなりません。

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